能力開発工学、教育−なんでもQ&A
Q18
 脳は白紙で生まれてくるというと、生まれつきということはないのか?

A18
 白紙というのは、人間の脳は生まれてきたとき(正確には胎内で脳ができはじめた時)には、神経細胞のつながりがなく、生後の活動によって神経細胞のつながりが出来て、いろいろなことができるようになってくるという意味ですが、それでは遺伝的な要素は全くないのかといえば、そうでもなく体の大きさや形、体質などはじめ身体的なものがあり、遺伝子の働きもまだわからないことが多いのです。

 しかし、ピアノがうまくひけるというようなことが、遺伝するわけではありません。指が人より少し長くて、よく動いたというような身体的なことに、親がピアノをひいていて小さい時からピアノに慣れていたとか、ということが重なっているような場合のようです。スポーツの場合などは骨格、体型など身体的要素が関係してりる場合もあるかもしれません。

 今ここで考えているような生活能力、行動能力は、体が大きい、小さいといった遺伝的な身体要素が直接関係するようなことだけではない、複合的な行動と言えますので、そうした行動は生まれてから獲得すると言って差し支えないと考えられます。

 少なくとも教育を計画し、実施する者は、「学習者の生まれつき」を理由に、自分の努力をあきらめることはいけないのではないでしょうか。学習者の責任にする教育者は、少なくはないように思います。

 脳の発達を調べてみると、生まれつきではないが、3才ぐらいまでのすべての行動、活動が大変重要であるとされています。赤ん坊が刻々と行う行動、活動によって、脳が作られるためこの期間の経験が重要であると言えるようです。もちろん、3才以後に脳が発達しないわけではなく、3才までの変化が大変大きなものであるということです。

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