能力開発ニュース49号1999.4.5発行
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   ****センターだより****

■製造業現場マンの能力開発
 製造業現場マン関連の開発やコンサルティング活動は、ここ数年継続してきましたが、ようやく学習の体系とその教材がはっきりしてきました。これまで普及に力を掛けてきた『基礎学習』に続いて、『実践学習』『現場学習』の内容が決まってきました。『実践学習』は現場装置をシミュレートした教材を使って故障対応能力、保全能力などを育てるもので、原型となる教材の開発がほぼ終了したところです。これから企業現場での試用を経て完成させていく予定です。
目下、学習システムについての報告書をまとめているところです。

■大学における情報教育の実践
 このテーマは、矢口哲郎所員が講師として行っているもので、ちょうど3カ年にわたって実施、今後も継続の予定です。千葉県にある川村学園女子大学の教育学部情報教育学科(安田 浩 能開センター常務理事が設立に尽力)学生に対する演習の課題中心の取り組みです。学生数約40名の現実の授業であるため制約は大きいのですが、それでも毎回プリントを自作するなど可能な限り学生中心の行動的学習とするよう工夫しています。
そうした中から大学における情報教育の問題点が見えてきましたので、近く報告書として発表する予定です。

■看護技術教育
 大下静香、大森武子両教授との共同研究も4年目が終わろうとしています。テーマは「主体的行動能力を育てる看護技術教育のあり方」に絞られてきました。
 看護技術者の行動の場は、一つとして同じものはない。患者が10人いれば10通りの場となる。そうした場にあって、その場にふさわしい行動を生み出せる能力を、ということで、従来の個々の技術を修得させていくという教育から、個々の技術を材料としてボディメカニクス、患者の感覚や心理、といったさまざまな看護技術の視点をつかみ取っていく研究活動を主体として、基礎看護学の全技術分野のカリキュラムを構成、大下教授の大学で実施中。成果は8月の看護教育学学会で発表の予定。今のところ、なかなか良い反応が出ています。乞うご期待。

■富山県看護協会セミナー(98.11.13,14)
 現役の看護婦さん、保健婦さん対象の1日セミナー、2日間に分けての企画で、小沢、叶内、矢口みどりの3人で講師を務めました。
 テーマは「人間の意欲について」。どうしたら意欲が出るのか、意欲が失われるのか、コミュニケーション行動などを材料に学習を展開しました。参加者の反応は良く、「職場のスタッフ全員にこのセミナーを受けさせたい」との声も。手応え十分。

■久留米大学医学部看護学科基礎看護教室 行動分析研修指導(99.2.22.〜24)
 東京女子医大看護短大時代から矢口教育学に惚れ込んで、毎年のようにスタッフを引き連れ、行動分析→学習設計の研修に見えていた河合千恵子教授。久留米大学においても、引き続きその方向で技術教育を展開中。スタッフ(7人)の気持ちがようやくそろってきたので、行動分析の本格的勉強会を企画とのこと。これは応援に行かずばなるまいと、矢口みどり所員がそのお手伝いに行ってきました。
 「わかる」と「できる」の違いに始まり、単純行動から複合行動の分析の演習を経て、最終日には血圧測定行動の行動分析から学習行動の設計まで。「自力でやるには今一歩という感じだが、方向は見えてきた」「行動分析→学習設計って論理的なんだなと感じました」。むずかしさの中におもしろさを感じてくれたようです。

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